お線香の日本香堂

TBSラジオ パンサー向井の#ふらっと 日本香堂presents
母の日参り俳壇|たくさんのご応募ありがとうございました!

2022年の春から始まりました
TBSラジオ朝のワイド番組『パンサー向井の#ふらっと』(月~木 8:30~11:00)にて放送中の
朝一番おたよりコーナー、日本香堂『ふらっとポスト』(8:41頃)――。

近石真介さん、大沢悠里さん、伊集院光さん…歴代の名パーソナリティが築かれた名物おたよりコーナーも、
4年目を迎えることができました。『母の日参り 俳壇』には、短期間の募集にもかかわらず
2108句ものお心のこもった作品をお寄せいただき、誠にありがとうございました。

厳正なる選考の結果、決定いたしました入選4作品、および、
母の日参りパートナーシップ賞5作品の発表です。

結果発表

「お母さんとの心の絆」

令和7年 入選作品

はは湯船ゆぶねははそっと

ようこ さん

作者より
いつもより入浴時間が長いな、と思い、少し心配もあり、バスルームの扉をそっとほんの少し開けて中の様子を伺いました。すると特に変わった様子もなくひと安心。母の日に特別感はなくても、特別なことをしなくても、お互いの健康や思いやりの心、何気ない平和な日常がお互いにとっての大切なプレゼントとなる今日この頃、自分や親の重ねてきた月日を感じることが増えました。
村上さんのコメント
母親も自分も年齢を重ねると感謝の形や心配する形が変わってきます。母の日にありがたさを直接伝えるのもよいけれど、この「湯船をそっと見る」という具体的な行動に作者の想いが表れていて映像が浮かぶところがとても素敵な句です。

戒名かいみょう三文字読さんもじよめたまい

きたのゆらゆら さん

作者より
小学校に入学した娘を連れて、入学の報告を兼ねて母の日に墓参り。
娘は戒名のなかの3文字だけ読めたようです。
向井さんのコメント
娘さんは難しい戒名が3文字読めるようになって嬉しい一方で、おばあちゃんが亡くなったことが何処まで理解できているか分からない・・・この先、読める漢字がドンドン増えていくと同時におばあちゃんが亡くなったことの実感が出てくるんだろうな、というその現実感が絶妙な素晴らしい句です。

「ついでだよ」れてははまいりかな

さいとうラジオ さん

作者より
実家に顔を出す度に「〇〇のついでで来た」と言ってしまう私。母の眠るお墓に行く時も「道の駅に行くついで」と心の中でつぶやくこともあります。息子あるあるですよね。
村上さんのコメント
大人になるにつれ母親に対して照れがでて感謝の気持ちをストレートに伝えられないもの。それが母が亡くなってようやく言えると思いきや、やっぱり照れてしまいます。何に照れているのか分からないが、それも含め母親はこの子らしいと思うかもしれない、母との絆を感じる素敵な句です。

帰省前きせいまえははからのLINEらいんってます」

いつきありす さん

作者より
母からのLINEはかなりの頻度で変換ミスがあります。けれどこのメッセージは「思わず舞ってしまうくらいわたしの帰りを楽しみにしてくれているんだな」と解釈することができて、わたしも帰省の日が待ち遠しくなったのを覚えています。
向井さんのコメント
打ち間違いの「舞っている」という言葉は、ウキウキした心が躍るニュアンスにも取れて、母親のかわいらしさが出ています。間違いも愛おしい、それが五七五の俳句に上手に表現されている句だと思いました。

パートナーシップ特別賞

過去の作品(2024年入選作品)

ははははからとど常備菜じょうびさい

富山県祐宇ゆう さん

作者より
大学生になり、ひとり暮らしをして間もない時のことです。母の日にカーネーションを贈ったのですが、母からは宅配便で手作りのおかずや梅干しが送られてきました。改めて母という存在を実感した日でもあります。
村上さんのコメント
お母さんはどんな時でも子どものことを考えてくれるということが伝わってきて温かい気持ちになりました。「母の日の母」というのも、素敵な言葉でいいなと思いました

ははフォントのおおスマホかな

福岡県なつき さん

作者より
子や孫と写真を交換するため、母の日にスマホデビューした母、ただ文字が見えないためにフォントサイズを1番大きくして奮闘する、たくましくて可愛らしい自慢の母です。
向井さんのコメント
スマホに手こずりながらも、孫や子どもの写真を見たい、撮りたいと奮闘している情景が伝わる一句ですね。

ははかずだけさくなりしはは

広島県あさ さん

作者より
会うたびに小さくなっていった母。事故の後遺症と闘っていたが、必ず元の元気満々な母になると信じていた愚かな私。全ての生き物は必ず老いていくということをすっかり忘れてしまっていた。母の老いを受け入れられなかった。気づいていたのに。分かっていたのに。優しくしてあげれなかった。ごめんね。かぁさん。かぁさん、ごめん。
村上さんのコメント
母の日はもちろん一年に一回ですが、母の日が重なれば重なるほど母が小さくなっていく、そういう母の日もあるのだと思いました。

はは固定電話こていでんわははこえ

山梨県みなまる さん

作者より
母の日の母に電話をしました。母はいまでも固定電話しか使っていません。
向井さんのコメント
スマホが普及する中、固定電話でも聞こえ方は変わらないかもしれませんが、声に昔の懐かしさが詰まっているものですね。固定電話なら、確実にそこにいてそこでしゃべっているという映像が浮かんできます。

過去の作品(2023年入選作品)

ははからのおくそこ新生姜しんしょうが

大阪府ひやしそば さん

作者より
大学時代、母からの仕送りにはいつも新生姜が入っていた。夏と油断して風邪を引かないように気を遣ってくれていたのだと、大人になった今ようやくわかりました。

はは花瓶かびんえら面映おもはゆ

東京都あばたもえくぼ さん

作者より
母の日にカーネーションをどの花瓶に生けようか、照れくささを持ちつつ、悩みながら花瓶を選ぶ母の姿を詠みました。

まご日傘ひがさはは日傘ひがさ

静岡県鈴木すずき浮浮うきうき さん

作者より
お墓参りの思い出のワンシーンです。
日傘がリレーのようになったおかしさと、母のさりげない愛情だったり、自分もまた、日傘を差す側の大人になったんだなという、感慨深さや自戒を込めて、詠みました。

ははからもがれるようになり麦酒びーる

埼玉県めっち さん

作者より
子どもの頃は母とお酒を飲むことはできませんでしたが、成人した今では母と一緒にビールなどのお酒を飲むことができ、嬉しいという思いを詠みました。

過去の作品(2022年入選作品)

ははははりたるくりやかな

東京都はちす さん

作者より
母の日も母が「お客様」となる事は一度も有りませんでした。

ははポテサラレシピ夏始なつはじめ

兵庫県江國優笑えくにゆら さん

作者より
大学進学で初めて一人暮らしをするときに、母は、私が好きなポテサラの作り方を書いて持たせてくれました。
5月の母の誕生日に、毎年思い出して母の味のポテサラを作ります。

かぜかおはは面影おもかげつま

岡山県かじゅるお さん

作者より
初夏の爽やかな風の吹く日に、縁側で洗濯物を干している妻の姿が幼き頃の母に重なって見えた一瞬を詠みました。
息子と自分を重ねてみると妻と母の姿が時を経ても同じように感じて、当たり前の日常の幸せを再確認することができました。

まごはしゃぐははまいからのパフェ

東京都遠音とおと さん

作者より
孫に急かされ、墓前での報告もそこそこにファミレスへ移動。
いちごパフェに大はしゃぎの孫に目を細めながら、自分も幼い頃、母に連れていかれた墓参りの帰り、甘味処で小倉アイスを食べさせてもらった時の情景がまざまざと蘇り、胸が温かくなりました。
これも「母の日参り」の御利益というものですかね。